LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
「今日バレンタインだから。
……でね。わたし、林君の事が好きなんだ」
「え? バレンタイン?」
あぁ!
だから今日は、好きな女子の話ばっかだったのか。
愛未の昨日のシュークリームもそれでか。
なるほどなー。
「おう、ありがとっ」
笑顔で受け取ると、教室に戻った。
やたら大きなチョコは、隠すところもなくて。
普通に持ってたら、他の男子にかわれて大変だったけど。
どうせくれんならポケットサイズにしてほしかった。
そんな事を思っていた俺の手元には、放課後にもなると8個に増えてしまっていた。
嬉しいけど。
ランドセルに入らねーよ。
どーすんだ……コレ。
なんて悩む俺の前に紙袋が置かれ
「貸してあげる」
と仏頂面した真希が立っていた。