LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
「お! サンキュー」
真希に借りた紙袋にチョコを入れ、ランドセルを背負って……
よし!
これで帰れる!
「何個貰ったの?」
「へ?」
同じ方向の真希と時間が重なると、帰るのが当たり前で。
隣で歩く真希は、紙袋を指差していた。
「あー、チョコ?」
真希の目線を追い、紙袋の中に入ったチョコへと目をやった。
「8個だっけかな」
「ふーん。……数えちゃったりしてキモイ」
キモイだと?
お前が聞いたんだろが!
しかも数えたのは俺じゃねーよ。
クラスのバカ男子共だ。
誰が1番多かったとか言い出して、勝手に数え出したんだっての。
真希を軽く睨んで言い返そうとする俺の後ろから、馬鹿デカイ声が飛んできた。
「あー、チビ林下いたっ!」