LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
振り返って確認するまでもねぇ。
この声。
この呼び方。
愛未しか、いねぇし。
「アンタ、帰って来んの遅い」
「愛未……何で、いきなりキレてんの?」
「アンタが帰ってくんの遅いから探してあげてたんだからねっ」
「はぁ?」
そう一方的に話す愛未は、それを見て少し引き気味の真希にようやく気付いた。
「きゃー、可愛い♪
何? チビ林下の彼女?」
「えっ!?」
「んな訳あるかっ」
何言い出してんだこのババア!
「そーなんだ。
ま、アンタにこんな可愛い彼女なんて勿体ないね。
私、愛未♪よろしくね」
うるせーわ。
俺の事を全く無視して、真希に話かける。