LOVE PRINCESS(歩夢&真希)
「お、おい…」
「あー! そうだ、コレ」
急に思い出したかのように叫んだ愛未に手渡された物。
それは、今日何回も見たラッピングしてある箱だった。
「それ渡そうと思って、家で待ってたのに遅いから。
チビ林下のせいで、林君との待ち合わせに遅れちゃうじゃない!」
「は? 何で、待ち合わせ?」
俺ん家、すぐソコなんだし兄ちゃんも居るんじゃねーの?
「たまには外で待ち合わせた方がデートって感じするでしょ?
バレンタインだしね」
……んなもんなのか?
「あっ、行かなきゃ。
じゃーね真希ちゃん♪
それ、シュークリーム。
2個入ってるから、真希ちゃんと食べてね」
そう言って愛未は嵐のように走り去った。
騒々しい奴。
あれで本当に高校生かよ。
あ、昨日のシュークリームってこれの為だったのか。
「愛未さんって、お兄ちゃんの彼女なの?」
「え? あぁ、そう」
「ふーん……、脈なしね」