薇姫/獣帝



『………來哉』


「あ?」



…何で機嫌悪いんだよ。


そこは無視をして問いた。




『今日は下で過ごしてみていいか?』




「………は?」


來哉は間をおいて息の様な小さな声を上げた。



運転手も目を見開いて私を見ている。



『ダメか?』



「…いゃ………」



『なら下にいる。


悪りぃ、我儘だけど。』



「………別に」



何故か満足気に片方の口角を上げる來哉。



何となく不気味に思い怪訝な顔でソレをみていた。



「暇になったら来い」




と來哉は言って上に上がって行った。





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