薇姫/獣帝
ガンっ‼
そんな金属と肉のぶつかる生々しい音が響く。
響いたと同時に腕に鋭い痛みが広がる。
静寂に変わった倉庫内で私の声が響く。
『喧嘩に武器何か使ってんじゃねぇよ』
そう言って後ろの男の子を羽交い締めしている奴の鳩尾に肘鉄をいれる。
「う゛っ」
そう言って倒れる男。
男の子の背中をそっと押した。
「てめぇ調子のってんじゃねぇ‼」
金髪の手が私のウィッグの髪に絡まって引っ張られて
ウィッグをとめてるピンも一緒に取れて本当の髪も数本抜けた。
いって………
自分の視界に見慣れた藍色の髪が入る。
「………は?」
「「………」」
前と同じ静寂が倉庫に流れた。
………
『金髪、どーしてくれんだよ』
「は、はぁ?」
『暴露ちまっただろ』
獣帝の皆が
「理不尽………」
と思ったのは当たり前。