薇姫/獣帝
部屋には重苦しい雰囲気が漂っている。
………息苦しい。
私は若干苛々しながら黙っていた。
すると、陽が口を開いた。
「琉稀……女なのか?」
『……あぁ』
ごめん、と小さく呟いて目を伏せた。
すると、隣の尚が息を吐き出したのが解った。
「ょかった~…」
『何が?』
「ぃ、いゃ…その………」
「そっかぁ、琉稀女の子だったんだ」
恭輔は案外ケロっとした顔でいる。
『………獣帝抜けるから。
悪かったな』
「あ゛?」
「何でそうなるのさ」
「やめて~」
皆はそれぞれの反応をしたけど、不機嫌そうな顔をしている。