薇姫/獣帝



「ここに居ろ」






來哉はそう言って私を見た。



私は思わず目を伏せてしまった。



「ここはお前の居場所だろ。



今頃、抜けるなんて遅ぇ。



てか、させねぇ」




來哉のその言葉に肯定の意か、皆は笑顔で頷く。




女嫌いな筈の透璃も笑っている。



「俺は琉稀が女って解ってて、獣帝に入れたから」



「『「「え………」」』」




皆が唖然と透璃を見ていたのは、言うまでもない。







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