薇姫/獣帝
外からはベタな少女漫画の走り方の音。
………本当、この物語王道だね←主人公‼
「失礼しま~す」
案外静かに1番に入ってきたのは陽だった。
「あ?
つか秋庭………今年こそ留年するなよ」
「ぇ?
今関係なく無い?何で氷室いんの?」
陽に続いて來哉、恭輔、尚、透璃と入ってくる。
………よくお前等理事長室に来れたな。
私は哀れんだ目で奴等を見てると、尚がパッと顔を輝かせた。
「琉稀!」
………はい、琉稀ですが。
「勝手に学校いっちゃダメじゃ~ん」
「自分のやった事解ってますか?」
けたけたと笑いながら言う陽と、笑ってない笑顔で毒を吐く恭輔。
透璃は私に近づいて来て抱きついてくる。
柊がぎゃんぎゃん何かを喚いてたけど。
透璃、可愛い…
私は頭を撫でてから黒いオーラを振りまく総長サンに目を向けた。