薇姫/獣帝
『ごめんごめん、
眠すぎて存在を忘れてた』
「「「………………」」」
「………琉稀、お前…ソレはねぇと思うわぁ~…」
伊織は私からサッと距離をとった。
………一生近寄るな。
私は伊織を睨みつけながら透璃の頭をなで続けた。
「てか、紘が来たらコレヤバくねぇか?」
「殺しかねねぇ…」
柊と伊織が苦笑しながら紘の名を出す。
『紘?
こっちに戻ってきてんの?』
私がそう聞くと、伊織はん~と唸って柊は溜息を吐いた。
「ん、いいや………
多分まだ結構かかるだろ」
…紘、何任されちゃったんだよ。
私は紘の顔を思い浮かべて目を細めた。
ぎゅっと腕を引っ張られて、その引っ張ってる腕の先にドス黒発見。
『………』
「………」
『………』
「………」
「無言の睨み合いやめてー‼」
尚が私と來哉の睨み合いに痺れを切らして喚いた。
………うっさいな。
私は視線を逸らして溜息を吐いた。
………こいつ等がなー…喧嘩強いんだもんなー…
想像出来ない。