薇姫/獣帝



「琉稀」


『……………』



理事長室に入った瞬間腹部に圧迫感を感じる。



「紘、久しぶりの兄弟の再会より琉稀との短い間の再会の方が喜んでんだろー。



ムカつくー」



柊は今はちゃんと座っている。




『仕事しろよ、名ばかりの理事長』



「誰が名ばかりじゃゴラ」


柊は八重歯を剥き出しにして言い返してきた。



『HR始まるけど』キーンコーンカーン…



「……………あああああぁぁぁぁぁ゛!!!!」




伊織の叫びが学校中に響き、伊織を恐れている生徒は何事かと目を見張っていた。





『「うるさい」』


「うっせぇゎ‼



行くぞお前等‼」




伊織はそう言って私と紘の首根っこを引っ掴んで走り出した。




私と紘はそのまま引っ張られて教室に向かった。



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