薇姫/獣帝




「…琉稀っておねぇちゃんみたいだね」



尚が私を見てポツリと呟いた。




『尚、おねぇちゃん居るの?』



「いや、居ないよ。


勘ですな、勘。」



尚は顎を撫でながら目を細めた。



……………気持ち悪。



私は怪訝な顔で尚を見てから教室を1番最初に出た。



それに続いて紘、尚、透璃と教室を出た。




「琉稀はイギリス語話せんのか?」



『…イギリス語じゃなく英語ね。



まぁ、一通りは出来る』




「だよなぁー」



尚は頭の後ろで指を組ませて腕を固定し、ダルそうに歩いていた。



屋上への階段を登りながら携帯の振動を感じる……………






事は出来なかった。









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