薇姫/獣帝
振動している携帯に全く気づかず屋上に出た。
そこには何気頭いい3年生軍団が居た。
何でこんなに皆集まれるんだよ。
「琉稀~俺等見て怪訝な顔すんなよ~」
陽はへらへらと笑いながら私に聞いてきた。
『何で来年受験の奴らがいんだよ。』
「受験なんて誰もしないんじゃない?
ここの高校から受験しても面接とか…まぁ、学力もで即アウトだしね。」
恭輔はノートパソコンをカタカタと打ちながらケロリと言ってのける。
『じゃぁお前等は?』
首を傾げて聞くと、サラリと長い髪が前に落ちてきた。
「就職かなぁー」
陽は空を見上げながら煙草をズボンのポケットから取り出した。
恭輔と來哉をみると、來哉は目を伏せて眉間にシワを寄せ、恭輔は眉を下げて唇を噛んでいた。
『……………そうか』
何となく、聞きたく無かった。