薇姫/獣帝



振動している携帯に全く気づかず屋上に出た。



そこには何気頭いい3年生軍団が居た。




何でこんなに皆集まれるんだよ。



「琉稀~俺等見て怪訝な顔すんなよ~」


陽はへらへらと笑いながら私に聞いてきた。


『何で来年受験の奴らがいんだよ。』


「受験なんて誰もしないんじゃない?




ここの高校から受験しても面接とか…まぁ、学力もで即アウトだしね。」



恭輔はノートパソコンをカタカタと打ちながらケロリと言ってのける。



『じゃぁお前等は?』



首を傾げて聞くと、サラリと長い髪が前に落ちてきた。



「就職かなぁー」



陽は空を見上げながら煙草をズボンのポケットから取り出した。



恭輔と來哉をみると、來哉は目を伏せて眉間にシワを寄せ、恭輔は眉を下げて唇を噛んでいた。



『……………そうか』




何となく、聞きたく無かった。





< 199 / 430 >

この作品をシェア

pagetop