薇姫/獣帝
部屋に入ると紘は瞳を揺らしながらドアを見ていたらしく、目があった。
「琉稀……………」
ぁ……
『…ごめん、紘』
1人にしていた。
少しでも、紘は1人にしてはダメだ。
本当、最近私おかしいかも。
紘の隣におとなしく座ると、紘は私の髪を弄り出してた。
「なぁなぁ、琉稀!紘!
明後日暴走あんだけど、来るよな!?」
そこ、聞くんじゃなくて、「来るよな!?」なんだな。
「琉稀は?」
『…行こうか』
紘は、昔からバイク好きだったし。
「何~?お前等バイク持ってんの~?」
『まぁね。』
陽は驚いた様子で聞いてきて、紘は目を瞑って口角を上げている。
「じゃ、楽しみだねー‼」
…………未来を、
未来を楽しみだと、アレから初めて思った