薇姫/獣帝



メールの着信音がして、ぺったんこのスクバから携帯を取り出す。




ーーーーーーー



今日は氷室で会議だから、行けない。



何か適当に誤魔化しといて



ーーーーーーー



……死ねばいいと思う。



私に押し付けやがって…


さっきから居なかったのは気づいてたけど、皆突っ込まないから何も言わなかった。


でも、会議かよ。




「んじゃ、琉稀荷物とっておいでよ!



俺等も倉庫住んでるけど。」



尚は予定表を見ながら言った。


……黙ってくれないかな。



私は額に手を当てると、恭輔が笑いながら私を見た。


「うん、そうしな。


來哉、送ってって」


「…亮太」



「すみません、俺今日この車運転終わったら用事あるんで…」


亮太は申し訳なさそうに言いながらミラーでこっちを見る。



「……はぁ…」



來哉は面倒くさそうに溜息を吐く。



『1人で行くからい…』



「それはダメだ」


即答した來哉に、お前が嫌がったんだろ。と悪態をつきたくなるが、抑えて黙って目を瞑った。



< 238 / 430 >

この作品をシェア

pagetop