薇姫/獣帝
來哉に送られて、何故か來哉も部屋に上がって来た。
訝し気に見ると、訝し気に見返してきた。
リビングでぼーっとしてる來哉を、私は放っておいて自室に向かった。
制服をハンガーにかけて、何着か上にある適当な服を取り出してバッグに詰め込んだ。
…5日分くらいをやり繰りしたら何とかなるだろう。
私は結構重くなったバッグを持ってリビングに向かった。
錠剤を何個か黒塗りのプラスチックにいれて、それもバックに入れた。
「……どう考えてもすくねぇだろ」
『うるさいな。
他に何を持って行けと?』
着替え、歯ブラシ、錠剤。暇つぶしのための本、ノートパソコン。
他に何か?
「……そうだな。
お前はそう言う奴だ」
來哉は私の頭を撫でて言った。
それに若干寒気がして來哉の額に手を当て『熱?』と聞けば、
頭に置かれていた手を離し様叩いた。
睨みつけるともう私を見ずにバイクのキーをクルクルと回していた。
私達はそのまま、部屋を出て倉庫に向かった。