薇姫/獣帝
夏休み
「ここ、空き部屋だから今日からお前の部屋な」
『へぇ、一室一室結構広いんだ。』
「……まぁな…」
大体は相部屋だけど、お前は女だから1人で使わせてる。
そんな事を言えない來哉って、結構チキンだと作者は思ってしまう。
ザワザワ……
倉庫の隣にある第二倉庫が泊まるところらしい。
今まで全く気づいてなかったけど。
左隣の部屋から尚と透璃が顔を出した。
「ん?あれ!?
早くない!?」
尚が目を見開いて口を開けて、透璃は私に抱きついてくる。
『普通だと思うけど。』
「琉稀って、着替えと歯ブラシがあれば大丈夫~みたいな感じだもんね」
尚に言われた言葉に内心ぎくっとする。
「お、居たいた。
お前等何してんの?」
「もう始まりますよ。」
陽と恭輔が呆れた様に私達を見る。
「あ、忘れてた忘れてた」
尚がべっと舌を出しながら片目を瞑った。
『行くって、何?』
私が聞くと、皆は悲し気に笑った。
「宿舎*の下には開たスペースがある。
そこでみんなで飯食うんだ。」
*=第二倉庫の事。
あぁ、皆はそこでご飯を食べるんだ。
まぁ、私には関係無いか。