薇姫/獣帝
すごい速度で落ちていく体。
それを空中で一回転させて両足で着地する。
「おぉ。
若いっていいね~」
伊織はけたけたと笑いながら車のキーをくるくると指で回している。
『紘に絶対言うなよ』
釘を刺すと、苦笑しながら手をひらひらさせていた。
「紘はそのうち来るだろ」
…………………
「あいつの技術なめたら終わりだかんな」
そう言って踵を返して歩き出した。
『……俺が1番解ってる』
はぁっと溜息を吐いてから伊織に着いて行った。