薇姫/獣帝




……




『……ふー…』



書類の解読作業に丸々一晩かけて没頭して作業を終わらせた。





あと2……



ふと時計を見ると、もう7:00だった。




『……準備しないと…』


欠伸をしながらシャワーを浴びに行った。









ーーーーーーーーー…



支度が終わった頃にはもう出る時間で少し仮眠をとろうと思っていたがそれも叶わなかった。



仕方なく重い体を引き摺ってマンションの前に行くと、車は既に止まっていた。





中に入ると、來哉が私を見ながら目を鋭くした。




『おはよ』



「……寝たか?」



『……うん』



「嘘つけ」



來哉は呆れた様に溜息を吐きながら私の目元に手を置いた。




『…何』



「目、休めとけ」



そっと手を離した來哉の言葉に従い、目を瞑って静かに座っていた。





学校に着く頃には少し視界が開ていて、來哉をチラリと見ると口角を上げて腕を組んでいた。




……少しムカついたのは紛れもない事実。




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