薇姫/獣帝
來哉達のクラスに遊びに行こうと思ったら廊下でばったり会った。
來哉達のクラスでも食べ物が全て売れたらしく、もう終わりらしい。
「お疲れ…みたいだね……」
恭輔は紘と尚と透璃の3人を見て頬を引き攣らせた。
「叫び声聞こえてきたぜ~」
ケラケラと笑う陽はタバコを吸っていた。
絶対、将来肺癌だ。
てかなって欲しい気がする。
「恭輔ぇぇえええ‼」
尚が目にいっぱい涙を溜めて恭輔に抱きつこうと腕を広げた。
恭輔はそれを鬱陶しそうに払って溜息を吐いた。
「今から大変だよね……」
恭輔の言葉に少しほわほわとした優しい雰囲気が無くなり暗い雰囲気となった。
「……あー、今年も売れちゃった…」
尚は蹲ってブツブツと何かを呟いていて、透璃と來哉は床の一点を見ている。
恭輔と陽はいやそうに顔を歪めている。
私と紘は顔を見合わせて首を傾げた。
恭輔がそれに気づいて苦笑しながら口を開いた。
「雷学冷祭の怖さはこれからだよ」
恭輔の言葉が途切れるのと同時に放送の雑音が校舎に響いた。