薇姫/獣帝
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「っはぁー‼
こんなに、走ったの、いつ、ぶりだろ…」
「息切れすぎ、だろ…」
尚は尋常じゃない喋り方をしながら膝に手を置いて立っていた。
てか、皆息切れすぎ。
「何で琉稀息切れてないのー?!」
『……さぁ?』
「むきゃーー‼」
訳の解らない言葉を発しながらぐらぐらと横に揺れて不満顔する尚。
そんな尚の頭を撫でながら何となく廊下の端に目を向けた。
……
『逃げんぞ』
「え?」
「ぎゃぁぁぁあ‼」
廊下の端から来た20〜30人の奴等から逃げる、一つの鬼ごっこがまた始まった。
正直、めっちゃエラい。
息が切れてくるのを感じながら1人で走っていた。
『……っあいつら、どこだよ…』
あいつ等とはぐれました、ハイ。
あいつ等もいっぱいいっぱいで私がはぐれた事に気づいてないと思う。
……休みてぇ…
はぁ、と小さく零れる息を途中で塞がれ、どこかの教室に引きずりこまれた。