薇姫/獣帝
“会合”
ーーーー伊織のアシで来た本家は、相変わらずデカくて和風。
塀の終わりは見えない。
私はいつもコレに疑問を抱きながら塀をくぐる。
表札に、【藍城】の性が刻まれた組を。
「おかえりなさいやし、嬢」
『……おぅ』
車の中でウィッグとカラコンはとっておいた。
お帰りなさいやし、など色々言われながらその厳ついスーツ姿の奴等に返事を返す。
私は1人離れの屋敷に行き、クローゼットからスーツを取り出した。
それを着てそとに出ると、同じくスーツを着た伊織と柊が居た。
目配せで歩き出す。
ここで、馴れ合いは通じない。