薇姫/獣帝
いつものおちゃらけた口調なのに低くて威厳のある声。
顔を少しそっちに向けると思った通りの面々が居た。
『……れ、お…』
怜央は私を見て目を見開いて微笑んだ。
でも、すぐに厳つい表情に戻り殺気を漂わせた。
「最近藍城にまで手を出したな。
それが、この世界でどうなるのか解ってんのか?」
「……お前は他人を…理不尽に殺めた。
それをどうするつもりなんだよっ‼」
「ふふ……はははははははっ‼」
狂った様に笑い叫ぶ佐野の頬を涙が伝った。
「お前等に…言われたくねぇよ……」
何を、言ってんだこいつは……?
私の髪をぐっと引っ張って首元に冷たい物を押し付けた。