薇姫/獣帝
ーーーーガラっ‼
「琉稀‼」
……デシャヴ。
頬を引き攣らせて奴等を見ると、予想以上に息を切らしていた。
「っわぁぁああ‼」
物体が私の体にだきついて圧迫感に多少びっくりしたものの、泣いている尚を見て何も言わずただ抱きしめ返した。
「……おかえり。
ってのは二回目だな」
『そだね』
透璃が微笑みながら私を見る。
それに反応して私も微笑み返した。
尚は体を離して鼻を啜った。
「グズっおかり〜…」
『“え”が無いよ“え”が』
笑いながらそう言うと透璃は頬を膨らませて「ちぇえっ」と呟いた。
「あー、心臓止まるかとおもったっ!」
「ホントだよ……」
陽と恭輔は悪戯な笑みを浮かべながら額には汗を滲ませていた。
「バカ琉稀!」
棗が私の頭をはたいてそれに反射的にやり返そうとしたら、止められた。
「心配してたんだからな?皆」
と言って怜央は笑った。
咲夜と淳、日向、暁月棗と首を勢い良く縦に振った。
『…ごめん、』
ポツリと呟くと、皆が私に視線を向けた。
『……棗達も、來哉達も色々ごめん』
私は目を伏せると、温かい手が頭に置かれた。
「……聞いてもいいか?
お前の、闇を」
來哉は辛そうに表情を歪めながらそう呟いた。
私は目を見開いたけど、すぐに微笑んだ。