薇姫/獣帝





ーーーーガラっ‼




「琉稀‼」




……デシャヴ。





頬を引き攣らせて奴等を見ると、予想以上に息を切らしていた。







「っわぁぁああ‼」





物体が私の体にだきついて圧迫感に多少びっくりしたものの、泣いている尚を見て何も言わずただ抱きしめ返した。





「……おかえり。



ってのは二回目だな」




『そだね』



透璃が微笑みながら私を見る。






それに反応して私も微笑み返した。




尚は体を離して鼻を啜った。





「グズっおかり〜…」




『“え”が無いよ“え”が』




笑いながらそう言うと透璃は頬を膨らませて「ちぇえっ」と呟いた。



「あー、心臓止まるかとおもったっ!」



「ホントだよ……」






陽と恭輔は悪戯な笑みを浮かべながら額には汗を滲ませていた。






「バカ琉稀!」



棗が私の頭をはたいてそれに反射的にやり返そうとしたら、止められた。



「心配してたんだからな?皆」




と言って怜央は笑った。




咲夜と淳、日向、暁月棗と首を勢い良く縦に振った。





『…ごめん、』




ポツリと呟くと、皆が私に視線を向けた。





『……棗達も、來哉達も色々ごめん』











私は目を伏せると、温かい手が頭に置かれた。





「……聞いてもいいか?









お前の、闇を」









來哉は辛そうに表情を歪めながらそう呟いた。






私は目を見開いたけど、すぐに微笑んだ。











< 375 / 430 >

この作品をシェア

pagetop