薇姫/獣帝




「帰るのか……?」



棗のその声に頷くと、棗は立ち上がって携帯を操作して耳に当てた。




「裏門に車」



棗は、いつも気が利く。



これ以上無いんじゃないか、と言う程。




だから、時々心配になる。





自分を考えて居るか…



棗は、私が物心ある時から世話役をしてた。



だから……いつも私を第一にしててくれてたから。





でも、






『自分が大事か?』




そんな一言もかけられない私は、最低だ。






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