薇姫／獣帝

そのバイクの中の１つに近寄る芦屋。


「あ、これ俺のバイクだよ」


そんな報告をしてきながらキーを差し込む芦屋。



私は何となく嫌な予感がしてた。




「はい」



メットを渡されてじっとソレを見る。


「被り方は解るよね？」


バイクに跨った芦屋は私を覗き込んできた。




……まさか、




『何処いく……「あー、もう！さっさと被って！」


がぽっとすこし大きいメットを被せられる。



そのままひょいっと持ち上げられバイクに乗せられた。




「軽すぎ、ちゃんと食べなよ？」


芦屋はそう言ってエンジンをふかした。




「とばすからちゃんと掴まっててねー」




芦屋の腰に手を回したら、バイクはすごいスピードで走り出した。