薇姫/獣帝



部屋には少し困ったような顔をしている奴等が居た。



「大丈夫だった?」



私に聞く恭輔に、私はこくんと頷いてさっきの場所に座った。


「てか、琉稀ちっちゃいね」



ふと、尚が私に向かって言う。



『あ゛?』



確かに、男にしては小さいのかもしれない。


でも、女にしては大きい方だよ。


162cmだったかな。


前測った時は。



「僕より確実小さいよね?ね?」



尚は、私が見た限り172cmくらい。



まぁ……本当に男の尚にとっては172cm程でもショックなのだろう。



『俺はまだ成長期』



「ぼ、僕もだし‼」



……


終わったんだな。



可哀想に。



「まだ18だし、大丈夫、まだ伸びる……」



呪文を唱えている尚の発言に疑問を抱いた。



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