薇姫/獣帝
「………は、ははははは…」
『………』
笑いかたが怖い翔平。
翔平は顔面蒼白。この言葉が1番当てはまる。
「琉稀、こいついつまで突っ立ってんだ?」
………一生かも。
私は口を開けて不気味な笑い声を漏らす翔平の頬をぺちぺちと叩いてこっちの世界に戻した。
ハッとした翔平は私を見て目を涙で潤わせた。
「琉稀………本当、何者…」
藍城組の札を見て頭を振る翔平。
「あぁ……地味な琉稀からイメージが離れて行くぅ…」
とかほざいていたから、私は棗とアイコンタクトをして2人で屋敷に入った。
そしてすぐに「置いてかないで下さいぃぃぃ‼」と叫んで私の服の裾を掴んできた。
『大丈夫だから、ここの奴は』
翔平はまだまだ成長期…だからな。
童顔で身長の…まぁ、まあ低い翔平の頭を撫でた。
「あーっ、琉稀じゃねぇかっ‼」
……こんな時に、バカの声がした。