897ピ-ス



携帯をギュッと力強く
握りしめる



その手はやっぱり
さっきっかわらず
震えていた




…でも………




「よし!」



大きく二回、
深呼吸をした私は
通話ボタンに
手をかけると
今度はためらわずに
ボタンを押した




プルルルルルルル


プルルルルルルル




呼び出し音が鳴り響く




大丈夫…

海は出る…


きっと、「どうした?」
っていつも変わらず
優しい声で私の電話に
出てくれる……




ガチャッ




出た!
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