だから俺を好きになれっ!
「兄貴っ!!」
なぜか、急に声を荒げる涼。
私と唯斗が話すと
きまって今みたいに不機嫌になる。
「はいはい。俺の弟は短気だねぇ…」
パッと私の肩から手を離す唯斗。
ちょっと残念かも…
「唯斗…これ以上、涼をあおるなよ」
「はいはい」
昔からこうだ。
二人が喧嘩をするといつも仲介にはいるのは千尋。
それはただ単に、私じゃ二人の喧嘩を止められないだけなんだけど…
「全く…冗談でもそんな事女子に言ってたら、ろくな事ないよ?」
「だーかーら、冗談じゃなくて…」
ーーボコっ!