だから俺を好きになれっ!



「いってぇ!」


あきれた様に言う私に、
もどかしそうに何かを言いかけた唯斗の脇腹を涼が殴る。


「遅刻すんぞ!」



おいおい…

そんな事言うのにわざわざ殴らなくても…



「あ! ほんとだ! 俺いくわー」


「チッ…」


「ばいばい、唯斗」



腕時計を確認して
慌てて自転車をこぎだした唯斗にむかって、涼の盛大な舌打ち。



「お前、落ち着けよ」



千尋のなだめも意味をなさず。



「まじ腹立つ…」



より不機嫌になる涼。



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