だから俺を好きになれっ!
「……?!」
落ち着け、落ち着け俺!
これもいつもの冗談に決まってる。
「冗談…だろ?」
「冗談じゃない」
即答する兄貴。
「お前が真紘の事を好きなのは、昔から知ってる。今ここで、真紘の事を好きだって言ったら、諦めるつもりだった。
でも、お前は言わなかった」
「………」
何も言えねぇ。
頭が真っ白になって、言葉が出ない。
さらに兄貴は続ける。
「だから、俺はもう我慢しない。 アイツは、俺がもらう」
我慢…?
我慢ってなんだよ?
今まで散々好き勝手してたじゃねぇか。
怒りがこみ上げる。
なんとなく、
ここで動揺したら負けな気がして。
「……好きにしろ」
そう、呟いてリビングを後にした。