孤独の汁
孤独


若い時には、あまり感じなかった。



孤独の汁を見たことさえなかった。



今では、見える孤独の汁。



仕事の打ち合わせで、誰かと喫茶店で話していると、喫茶店の壁から孤独の汁が滲んで来てるのが見える。



笑い話しをしてても、俺は孤独の汁が気になって仕方ない。



可愛い女の子の裸の背中に、孤独の汁が見えてしまう。



文庫本の活字を追ってるつもりが、文字から孤独の汁が垂れている。



孤独の汁は、俺を憂鬱な気分にさせる。



孤独の汁は、自分自身を憐れむ心から出るようで嫌だ。



さて、腰を上げよう。




さて、腰を振って踊ろう。



孤独の汁に、足をとられてもいいじゃないか。




なんとかなるよ。
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