ありったけの笑顔で…
あたしが黙っていたら小島が口を開いた。
『これからは、気をつけろよ!』
『へ?』
考え事をしていたあたしは小島が
何の事を話しているのか全く掴めなかった。
すると小島は、ため息をついた。
『だーかーら、電車なんかで居眠り
するなよ!あぶねーから。』
小島は、目をそらして
頭をくしゃくしゃし、そう言った。
『うっ、うん!!気をつけます!』
そうあたしがいうと小島は安心
したかのように笑った。
『んぢゃ、俺ら行くわ!ぢゃーな』
もう、行っちゃうんだ……
あ!お礼言わなきゃ!
『あっ…ありがとね!!!
…………またね!!!!』
ぎこちなっ……
あえて、"またね!"って言った事に
あなたは気づいてくれたかな?
遠くなって行く彼の背中を、
心から引きとめたくなった。
でも、そんな事出来るほどの勇気もない。
資格もない。もう、何も関係ない。
どうしても、忘れられないの。
あなただけを……。