たった一つのお願い
「あ、でも昼休みは来ないで下さい。俺と春陽の時間なんで」
今は宮ちゃんも禁止だ。五分昼休みだからな。
この五分は誰にも邪魔はさせない。
「ったく…理央君には……適わないよ…」
「ほめ言葉として受け取っておきます」
この春陽の父親も、ハッキリ言ってかなり泣き虫なキャラだが…
「男手一つで娘をあれほど立派に育てた事は凄いと思います」
「ハハハ…今君、失礼な事を考えていただろう?
だがコレは…妻が子育てについて事細かに書き置きしておいてくれてたからな」
本当に立派な奥様だ。
きっと春陽はお母さん似なんだな。
「…理央君、声に出てるよ?」
「……失礼しました」