たった一つのお願い


「祐司がこのままなら、俺はそのまま祐司の前で続きをするが構わないか?」




俺は春陽に問いかけると真っ赤な顔で睨まれた。

祐司は居ても居なくても似たようなものだ。後で冷やかされるのが鬱陶しいくらい。




「…さっきしたのに?」



「ずっとしてても飽きない」




ヒューと口笛を誰かさんが吹いた。




「っ……祐司先生ここ居て!!
それで理央は先生居るのにキスとかしたら暫く無視するからっ」




そんな俺の様子を見て祐司が肩に手を置き、尋ねてきた。




「ご気分は?」



「待てをされる犬の気持ちが今分かった…」
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