たった一つのお願い


祐司に帰れとアイコンタクトをしたが、彼には全く通用しない。


春陽はそういう事ってどういう事!?と、せっついてくる。


あぁ…知らないふりをすれば良かった。
言葉を不用意に漏らして軽率すぎた。


春陽と居るといつもコレだ。
俺は溜め息を吐き、観念して春陽の頭に手を置いて俺は言う事にした。




「…春陽が可愛いからな」



「はい!?」




思っても見なかった返答だったようで春陽の口はポカーンとしている。…そんなに無防備だと非常に塞ぎたくなる。


ダメだ。今日の俺はかなり終わってる。




「良かったなー春ちゃん。
理央にそんな事言わせた奴、この世で他に誰一人として居ないぞ」




やはり絡みが鬱陶しい。
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