たった一つのお願い
第四章
嘆願1
あと一人だ。
婚姻届には二人の証人が居る。
俺の親は住んでいる場所が遠すぎるから論外だ。
だから結局春陽のお父さんに許可をもらわないといけないからそれなら…という理由で証人にしようと思っていたのだが。
「………会う時間がない」
連日残業仕事、さらにオペ、と続き帰宅するのは深夜2時過ぎ。
五分昼休みが昼を食べながらの五分メールに変わってしまった。
何故こうも立て続けに……
「三神先生、大丈夫ですか?
少し休まれたらどうですか?」
俺を心配しての事だろう。だが、ここで休むわけにはいかない。
「いえ…一段落つけば長期休暇取っているので頑張ります…」
長期休暇の手配はした。
俺が抜けてもシフトに支障がないようにしておいた。
後は、その休み分の仕事をこなすだけだ。