たった一つのお願い


「春陽」




俺は名前を呼ぶと同時に抱きしめてキスをした。
そして今日はさりげなく彼女の手を掴んだ。


久しぶりすぎて気分が高揚する。




顔を離した後、彼女の顔は真っ赤に染まっていた。

彼女が俺による行為で頬を紅潮させてくれる事に嬉しさを感じる。


いつまでも俺のキスに慣れないで欲しい。



彼女の赤らめた顔は見ていて飽きない。



ん?




「今日は紅潮時間が長いな。どうした?」




いつもと変わらないキスをしたはずだが。




「っ……だって、手…」




あぁ、握ったままだったのか。自然すぎて忘れていた。
< 152 / 264 >

この作品をシェア

pagetop