たった一つのお願い
「春陽」
俺は名前を呼ぶと同時に抱きしめてキスをした。
そして今日はさりげなく彼女の手を掴んだ。
久しぶりすぎて気分が高揚する。
顔を離した後、彼女の顔は真っ赤に染まっていた。
彼女が俺による行為で頬を紅潮させてくれる事に嬉しさを感じる。
いつまでも俺のキスに慣れないで欲しい。
彼女の赤らめた顔は見ていて飽きない。
ん?
「今日は紅潮時間が長いな。どうした?」
いつもと変わらないキスをしたはずだが。
「っ……だって、手…」
あぁ、握ったままだったのか。自然すぎて忘れていた。