たった一つのお願い
嘆願2
翌日。
昨日は徹夜したのでなんとか仕事は片付いた。
診察予定も午前までだったので支障はない。
しかし、眠い…
宮ちゃんと俺は一旦帰宅し、駅前で待ち合わせをしていた。
病院からは遠い駅なので知り合いに出会う事はないだろう。
「あ、三神先生!」
宮ちゃんが俺に軽く手を振ってきたので俺も片手を上げて返事をした。
「すみません。俺の用事で…」
「良いですよ。春ちゃんのためですもの」
俺はあの後宮ちゃんにもう一度会いに行き、日時を伝えた時に用件を予め伝えていた。
指輪選びの手伝いをして欲しい、と。
「俺はあまりそういった類を付けないので…申し訳ありません」
「そんな気になさらないで下さい。さぁさ、行きましょう」
宮ちゃんはズンズンと進んで行った。
意外と宮ちゃんって派手な服着るんだな…
初めて私服を見て気づいた。人は見かけに寄らないとはまさにこの事だ。