たった一つのお願い
「……コレはどうだろうか?」
先ほどの物よりかなり価格は下がるが、シンプルでダイヤがまん中に少しきらめく程度に付いてある。
コレなら重くもないし、付けていても邪魔にはならないだろう。
「私もそれ、良いと思います!きっと喜びますよ!」
宮ちゃんに言われると自信がつく。
やはり一緒に来てもらって助かった。
俺は店員に春陽の指のサイズの物を注文すると、彼女は少々お待ち下さいと言って店の奥へ行ってしまった。
手持ち無沙汰な俺は、そう言えば宮ちゃんが隣に居ない事に気づき、辺りを見回す。
すると彼女はある一点をジッと見つめている事に気づいた。目を凝らしてよく見るとそれはどうやらイヤリングのようで。
店員はまだ戻って来る様子もないので俺は彼女に近づき言った。