たった一つのお願い


「お前な…」




俺が今更言っても仕方がないが、思わずため息がこぼれる。



「だってお前、彼女居たくせにホテルから別の女と出て来たんだぜ?」




アレは汚点だった。
注意をしていつもなら、少し遠くの方で遊ぶのだが…あの時の俺は当時付き合っていた女性があまりに鬱陶しく、ストレスが溜まり投げやりになっていた。
別れても良かったのだが…なんせ告白を受けて2日だったのでさすがにマズいと思い、我慢していた。
だからあの時の俺は本当に疲れていて。


少し近くの繁華街で遊んだのが運の尽き。




「俺も男だ」



「うん、その時俺は初めてお前をそう認識したよ」




あの時のアイツの顔…酔って真っ赤だったくせに一気に覚醒したからな。
少し面白かった。
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