たった一つのお願い
すると、視線を感じたのか春陽がこちらを向き、
「理央は見ちゃダメ」
――…ダメ出しされてしまった。
「気になる」
「それでもダメ。コレはケンタ君のだから」
何だかその言い方は気に入らない。
「春陽は俺のだ」
「そ、そういう話をしてるんじゃないでしょっ!?」
やっぱり彼女の赤らんだ顔も俺の心を疼かせる。
「俺にも手紙書いてくれるのか?」
だからいつも俺は彼女から目が離せない。
彼女に対して興味が尽きないんだ。