たった一つのお願い


そしてあまりにも優しいから、気付けば厚かましくも






「私の部屋、501号室だから遊びに来てね!じゃ!理央先生、待ってるから!」






なんて言ってしまって。
こんな事言ったら迷惑だって分かってるのに。宮ちゃんに怒られるんじゃないかと思ってたら、理央にお暇な時に良ければ…と言っていた。


私は理央の顔を見るのが恐くてもと来た道へと早歩きしていた。


そんな勝手な私の顔を見て、宮ちゃんはフフフと笑い、





「春ちゃん、三神先生に惚れちゃった?」






と聞かれ、ただでさえ熱かった顔がさらに熱くなった。


私には龍が居るのに。龍が居るのに。龍が居るのに…何度も唱えてもその火照りは止んでくれない。


そして気付けば宮ちゃんに、





「―――――うん、そうかもしれない…」






こんな回答をしてしまっていた。
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