たった一つのお願い
「三神先生。この子に仕事場聞かれませんでした?」
鶴を折ながら彼女が尋ねてきた。
「聞かれましたよ。どうせ分かる事なんで教えましたが…何か問題が?」
「春ちゃん、絶対先生の所へは行ってはいけませんからね!」
あぁ、それで教えなかったのか。確かに行動力のあるこの子なら来そうだ。
「えー…遠くから眺めるだけだし、一階下の階だし良いじゃん…迷惑かけないよ?」
「病院をウロウロしちゃダメ!」
確かに。
前みたいに人とぶつかっては大変だしな。
「春陽ちゃん、あまり宮野さんに迷惑をかけたらダメだ」
「えー…だってここだけじゃつまらないんだもの。じゃあ、先生は私の所へ毎日来てくれる?」
「春ちゃん!」
毎日、か…
今日は偶々こうして来れたが毎日は…約束出来ないな。何が起こるか分からないし。