たった一つのお願い

｢祐司が来てくれなかったら……ヤバかった｣



｢そりゃあ良かった｣




本当、コイツには適わないな。




｢俺は明日告白する。それで全てを終わらせる｣



｢うわーいきなり？｣



｢気づいたからには隠したままでは居られない。
―――それで彼女とは終わりにする｣




彼氏の傍で綺麗に笑ったり、照れたりする彼女を見ていたくはない。


俺は自分でこんなにも臆病な奴だとは知らなかった。


今まで適当に人の気持ちを弄んでいたのだからコレぐらいは当然の報いだ。


それに自覚したばかりなら傷も浅くて済む。




｢本当お前は男前だなー｣



｢笑わせるな。臆病なだけだ｣




祐司は俺を良いように捉えすぎだ。