たった一つのお願い


「は!?今から!?」



「阿呆。酒を飲んだ状態で彼女の親に会いに行く奴がどこにいる。明日に決まっているだろう」



「明日!?」



「早いに越した事はない」




俺がそう言うと大胆だなーと俺を茶化してきた。

会えないなら会いに行くだけだ。
そんな事で一体何が大胆だと言うのだろうか?




「…お前、彼氏じゃなかったら只のストーカーだな」



「彼氏だからするんだ」




それに彼氏だから出来るんだ。
いくら友人でもそうでなければ、祐司は患者さんの個人情報を教えたりはしないだろうしな。
ここまで協力してくれるはずもない。



それに、だ。
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