たった一つのお願い


そして翌日俺は紙袋を持って春陽の病室を訪れた。




「あれ?理央、それどうしたの?」




部屋に入るなり、彼女が聞いてきた。


まぁ、コレだけのサイズなら彼女でもすぐ気づくか。




「願掛け、みたいなものだな。
大丈夫とは分かっているが一応な」



「コレ……」



「そうだ。千羽鶴。俺も春陽に作ってみた」




今まで彼女にこんなにも時間と労力を使った事はない。


だが、




「理央嬉しい!
ありがとう大好き」




たったこの一言でやって良かったと思う俺はなんて単純な頭をしているのだろうか?
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