今日、君にさよならを告げよう
「協力、なんて…。僕のためのことなのに」
それなのに、紗月は。
微塵も、そんなこと考えてなかった。
恩を着せるとか、やってあげるとか、そんなんじゃない。
本当に、純粋に。僕と菜月が恋人になることを願ってたんだ。
「嘘……」
驚きのあまり、目を丸くさせた菜月に、僕は一歩近づいた。
……別れなんて、唐突にやってくるものなんだ。
「結局、ネタばらしをする前に事故に遭って、……もう二度と、逢えなくなってしまったわけだけど…」
「そん、なの」
「……信じない?」
「だって…。私たち、両想いなの…?」
「そうだよ。……だから、紗月じゃなくて、菜月だったんだ。僕の隣にいるのが」
僕があまりに菜月を好きすぎて、きっと君はここにいるんだ。