純~Love Story~愛
詰所によると マスクを買わされた。
手指の消毒をしてから
陸の部屋に入った。


小児科はみんな母親がついていて
陸は一番奥の窓側で カーテンをひいている。

にぎやかな病室
母親に甘える声

陸がどう思っているのかを想像して
胸が痛んだ。

「失礼します。」

カーテンから顔を出すと
イヤホンをして 子供番組を見ていた。

「陸。」

陸はとても嬉しそうな顔をして


「せんせー!!!」と言って笑った。

「大丈夫?点滴してるんだ・・・・。」

「うんずっとずっと・・・
怖いんだもん 針ささってて・・・」

私は陸を抱きしめた。

「偉いね~陸 頑張ってたんだね。」

「せんせー幼稚園行きたい・・・・・
おうちに帰りたい ママに会いたい・・・」


こんなところにいたら 誰だって
ママに会いたくなるよね。

陸だけが 一人ぼっち


たまらなかった・・・・・・。

「先生もなるべく 来るからね。
早くよくなって お友達もみんな心配してたの。」

「先生~早く帰りたい……。」

「それには頑張って注射して薬飲んで
ここで頑張ろう応援してるから。」

小さくなった陸を抱きしめた。
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